[きっかけは子どもの病気]
精神保健福祉の向上に尽力
「県知事賞をもらえるとは、夢にも思っていませんでした。うれしくて、床の間に飾って毎日眺めています」と話すのは、平成26年度精神保健福祉事業功労者として宮崎県知事賞を受賞した徳持ナリ子さん(永山)です。
徳持さんは、平成7年に精神障がい者家族会『ひかり家族の会』を発足。平成23年からは、同会の会長を務め、えびの市内の精神保健福祉の向上に尽力しています。今回の受賞は、その功績が称えられたものです。「この受賞で、多くの人に『ひかり家族の会』の存在を知ってもらいたいです」
きっかけは子どもの病気
徳持さんが精神障がい者と向き合うきっかけとなったのは、長男を襲った病気でした。「高校を卒業したばかりの長男が、突然、頭をひどく痛がるようになりました。それと同時に、こぶさぎ込む日が増えました。私は、心配で病院に連れていきました。診断した医師から長男は、統合失調症といわれました」
統合失調症の長男との向き合う術がわからない徳持さん。主治医からコミュニケーションをよくとるようにと言われたそうです。「仕事や家事の空いた時間などで、長男とコミュニケーションをとりました。少しずつですが、長男との会話も増えていきました」コミュニケーションをとるだけでは、症状の改善には限界があるなか、市内で同じ子どもを持つ保護者と出会いました。「その保護者は、子どもの症状を改善しようと一生懸命でした。話を重ねるうちに、子どものために 私たちにできることがないかを考えました」徳持さんたちは、すぐに行動を起こします。
「障害のある子を持つ親や家族は、いろいろな悩みを抱えています。そういった人の心の よりどころにしてもらえればと、『ひかり家族の会』を立ち上げました」「周りの目を気にする保護者を説得するのには時間がかかりました。何度も家を訪ねて説得し、やっと会員になってもらいました。 今では、8人で活動をしています」と発足当時を振り返ります。
同会では、毎月第4金曜日に図書館で「精神障がい者当事者会」と『喫茶ふら?っと』 を行っています。「『喫茶ふら?っと』では、いれたてのコーヒーが楽しめます。参加者も来場者との会話を楽しみにしています。ぜひ、一度、『喫茶ふら?っと』にお越しください」
ひかり家族の会を残したい
発足から約20年が過ぎる同会は、会員の高齢化などで、存続の危機にさらされています。「精神障がい者の福祉の重要性が叫ばれる中、この会をなくしたくありません。会に興味を持った人は、見学でも構いませんので一緒に活動してみませんか」
ひかり家族の会の活動に興味のある人や一 緒に活動をしたいという人は、同会事務局(35-2014)までご連絡ください。
こちらもおすすめ
-
えびの市で、地域おこし協力隊として働く傍ら、趣味のサーフィンを楽しむ永田さんは、山と海には共通していることがあるという。
-
えびの市上江の自動車整備工場で働きながら、オートバイレーサーの高みを目指す中迫さん。鈴鹿8耐出場で、当たらな夢ができた。
-
えびの市の高齢者クラブにおいてカラオケの指導を行う中津さん。歌の上達よりも楽しさが第一だと語り、クラブは高齢者の生きがいの場となっている。