[20億年変わらない水の循環]
使える水は一握り
「水の惑星」とも呼ばれる地球に存在する水の量は14億㎥。そのうちの97.5%が塩分を含む海水で、川や海、地下水などの淡水は2.5%しかありません。
地球上にわずかしか存在しない淡水のうち、1.7%が北極と南極の氷で、0.79%が地下水。私たちが生活する上で利用できる川や湖などの水は、地球に存在する水のうち、たった0.01%なのです。
20億年変わらない水の循環
このわずか0.01%という水。私たちが利用し続けても、地球上からなくなってしまうことはありません。それは、水が、雨になったり、雲になったり、いろいろな形に姿を変えて、地球をぐるぐるとまわっているからです。
この水の流れは「大循環 ※図1」と呼ばれ、はるか20億年前から変わることなく繰り返されています。この大循環のおかげで、私たちは、毎日、水の恩恵を受けて生活することができるのです。
汚れの原因は生活排水
大昔から地球を循環し続けている水。汚さないよう大切に使わなければ、川や海など、さまざまな自然環境に悪影響を及ぼしてしまいます。
現在、川や海を汚している最大の原因は、家庭から出る生活排水です。生活排水は、「トイレの汚水」と「生活雑排水」に区分されますが、「生活雑排水」には、「トイレの汚水」の約2倍の汚濁物質が含まれています。
中でも、影響が大きいのが台所の汚水で、生活雑排水の汚れのうち、6割以上を占めています。
その原因となっているのが食器を洗う際に水と一緒に流れてしまう、てんぷら油やマヨネーズなどの食品です。
例えば、コップ1杯(200ミリリットル)の牛乳を台所に流してしまうと、魚が棲める水質に戻すためには、浴槽(300リットル) 10杯分のきれいな水が必要になってしまうのです。
みんなでアクション
私たちが生活していく上で、生活排水をなくすことはできませんが、その汚れを最小限に抑えることは可能です。
食べ残しをなくしたり、食器を洗う前に汚れを拭いたり、洗剤を使い過ぎないなど、誰でも簡単にできることを行動に移すことで、川や海、地球みんなの水をきれいに保つことができるのです。
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