誰にでも起こりうる認知症。超高齢社会へと向かう日本にとって最重要課題の一つです。そこで、認知症に対する正しい知識を持つために、認知症サポーター養成講座をを開催して、啓発しています。

認知症の症状は二つ

[脳の細胞が壊れて起こる 中核症状]

認知症の症状は二つ

アルツハイマー病などの脳の病気によって、引き起こされる症状が認知症です。症状は大きく分けて、中核症状と行動・心理症状の二つ。周囲の人との関わり方によっては、認知症の症状の進行を遅らせたり、改善させられる症状もあるんです!


脳の細胞が壊れて起こる 中核症状

記憶や理解・判断力、実行機能などの障がいのことです。家族のことを認識できなくなったり、料理を段取りよくできなくなったりします。脳の細胞が壊れることによって起こるため、治りにくい症状です。


環境によって改善できる症状も

核症状が原因で本人の性格や周囲の人との関係が影響して起こる症状を、行動・心理症状と呼びます。例えば、記憶障がいによって、大事な物の収納場所を忘れて、身近な人が盗んだと思ってしまったりする症状です。
 妄想やうつなどの行動・心理症状は、人間関係が閉じられている状況で起こるため、認知症の人と積極的にコミュニケーションを取り、人間関係を広げてあげることが重要です。また、会話をすることは脳の活性化にもつながるので、認知症の進行を遅らせることができます。


【認知症高齢者を支えるさまざまな支援】

SOSネットワークみやざき

高齢者が行方不明になった時に、警察だけでなく、地域の団体と協力して捜索を行うためのネットワーク。家族の同意のもと、警察から『SOSネットワークみやざき』事務局に協力依頼があると、加入団体に徘徊者の特徴がまとめられたメールまたはFAXが届けられ事をしながら、捜索を行います。

認知症高齢者位置検索サービス

 認知症高齢者を在宅で介護する家族に対して、認知症高齢者の位置を確認できる位置検索サービスを提供し、使用する機器の登録料などの初期費用の一部を助成します。利用の申請は、各地域包括支援センターで受け付けています。


認知症の人と接する時の心構え

認知機能低下があることを理解した上で、認知症の人への対応の心得は大きく分けて3つ。「①驚かせない ②急がせない ③自尊心を傷つけない」を基本的な姿勢とし、日常生活の挨拶や声掛けに努めましょう。
 また、認知症になった多くの人は「認知症じゃないから、病院には行かない!」と言い張ることがありますが、これは周囲に迷惑をかける自分が認められなかったり、自分の心を守ったりするための反応です。認知症の人が抱える苦しみを知っておくことも大切でしょう。


温かい目で見守りましょう

認知症サポーターは何か特別なことをする人ではありません。偏見を持たず、認知症の人やその家族を温かい目で見守るだけで十分です。さらに、認知症の介護家族にねぎらいの言葉を掛けたり、友人や家族に知識を伝えたりするなど、自分ができる範囲で手助けをするのもいいですね。


認知症高齢者防火支援事業

65歳以上の一人暮らしの認知症高齢者に対し、防火対策として、IHクッキングヒーターなどの電磁調理器や自動消火器、火災警報器などの購入費の一部を助成しています。利用の申請は、各地域包括支援センターで受け付けています。


成年後見制度

 認知症などの理由で判断能力が不十分な人の預金管理や、日常生活でのさまざまな契約などを「後見人」が支援する制度です。


徘徊模擬訓練

徘徊者への声の掛け方や情報伝達方法を実践形式で行う訓練です。詳しくは22ページへ。


こちらもおすすめ

人気記事

おすすめトピック