[見る角度で山の表情がこんなに変わるなんて驚き!]
輝く森と、ススキの大草原を歩く「甑岳トレイル」
今回、えびの高原を訪れたのは11月下旬。かなりの冷え込みを伝える天気予報に、どうなることかと思っていたけど、風もなく、陽射しも暖かい。
甑岳登山道に足を踏み入れると、昨夜はかなりの冷え込みだったのか、あちこちに霜柱が立っているし、コース一面に敷き詰まる落ち葉も凍っている。サクッ、サクッと心地よい感触を楽しみながら、森の奥へと延びる道を進んでいく。
森の中は、森の中とは思えないほど明るい。ほとんどの木が落葉していて、陽射しがまぶしいくらいに森全体を照らしているのだ。輝く森の中を歩くなんてなかなかできない体験。紅葉の後には、こんなお楽しみが待っているなんて。見上げると、真っ青な空が広がっている。
見る角度で山の表情がこんなに変わるなんて驚き!
『甑岳トレイル』はほとんどがなだらかな道で、山頂まで400メートル程の地点からが登りになる。えびの高原から頂上までの高低差はわずか100メートルだけど、後半で一気に登ることになるのでラスト50メートルは結構な傾斜だ。山頂にたどり着いた時には額には汗がにじみ、息も上がり気味。まだまだ鍛錬が必要だな。
山頂からの眺めは、月並みな表現だけど絶景だ。正面に霧島連山の最高峰・韓国岳がドーンとそびえているのだけど、えびの高原から見たときの険しい感じではなく、とても穏やかな雰囲気。見る角度で山の表情がこんなに変わるなんて驚きだ。
そこには金色の大草原が待っていた
普通の山ならここで「やった~っ!」となるところなんだけど、甑岳トレイルはここからがクライマックス。火口部へと続く道を少し歩くと、そこには金色の大草原が待っていたのだ。風の谷のナウシカのワンシーンを思わせるこの光景。火口一面を埋め尽くすススキが太陽の光を浴びてキラキラと輝いているのだ。これだけのススキの群生を見たのは初めての体験。ほんと来てよかった!
片道わずか60分程度で、山頂からのパノラマと、金色に輝く別世界を体感できる甑岳。なんて贅沢な山なんだ
空よりも青い湖面に魅せられて「池巡り自然探勝路」
『池巡り自然探勝路』は、えびの高原にある3つの火口湖を巡る、トレッキングコース。まずは露氷の名所として知られる白紫池を目指す。しばらくなだらかな上り坂を歩くと分岐に差し掛かる。ここをまっすぐ行くと白紫池、左に行くと眺めが最高という白鳥山へとたどり着く。待ちに待った今日のトレッキング、ここはもちろん左折して、絶景を拝みに行くしかない!
コバルトブルーの火口湖が美しい
途中、二湖パノラマ展望台で、白紫池と、霧島連山にある火口湖の中で一番美しいという六観音御池のコバルトブルーの水面にしばし見入り、白鳥山の頂上に到着。ここからは韓国岳や甑岳など霧島連山はもちろん、遠く桜島や錦江湾まで眺められる。ちょっと回り道するだけでこの景観、来ないと絶対に損!
白鳥山を下ると、さっき展望所から見下ろした六観音御池、さらには深い青色が印象的な不動池を訪れて、池巡りも無事にゴール。ヤッター!
『甑岳トレイル』と『池巡り自然探勝路』を一日で両方歩くと聞いて、最初はちょっとひるんでいた今回の行程。実際歩いてみると案外余裕な感じ。けど、初冬のえびの高原をたっぷり味わえた大満足の一日でした。
【甑岳・池巡りコース紹介】
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やっほーさん
休日はミラーレス一眼を片手に、よくえびの高原に出かける。好きなブランドは「パタゴニア」。最近は、韓国岳・登山口付近の草原が気になるスポットです。
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月に二回は山行し、下界の雑事から解放されようとするも、人の山道具を見ると欲しくなって余計に煩悩を深めてしまう。好きな言葉は「書を捨て 町へでたのに本屋にin」