宮崎市で輝いている人を紹介する「キラリ! 宮崎人」。
今回は、U ターンして造園業を営むかたわら、
県内最年少で樹木医に認定された宮田義規さんです。
[樹木医に認定されるには さまざまな知識が必要]
宮崎市で輝いている人を紹介する「キラリ! 宮崎人」。
今回は、U ターンして造園業を営むかたわら、
県内最年少で樹木医に認定された宮田義規さんです。
木は自ら回復する力を持つもの。 それを引き出す手助けをしたい。
宮田 義規(みやた よしのり)さん
樹木医
宮崎県農業大学校で農学を学ぶうち、森林に興味を持ったのがきっかけで、樹木医の道へ。
卒業後に就職した香川県の造園会社では、木の診断、回復などの経験を積み、宮崎にUターン。
昨年12月、宮崎県内で最年少の樹木医に認定されました。
樹木医に認定されるには さまざまな知識が必要
樹木医とは、その名のとおり「木のお医者さん」。現在、県内には宮田さんを含む20人が樹木医として登録されていて、弱った樹木などの診断や回復の手助けなどを行っています。
近年、都心部では高度経済成長期に整備された道路や公園などの植栽の衰退化が進んでおり、倒木などで車や人に危険がおよぶ前に診断する必要があるため、樹木医が注目されているそうです。
「木の本当の健康状態は、見た目や機械だけで判断するのは難しい。だからこそ周囲の状況も見て、総合的に診断できる経験を積んだ人間が必要なんですよ」と宮田さん。
樹木医は、7年以上の実務経験を積み、16科目からなる試験などにも合格しなければならない狭き門。診断の際には、土の状態や周りの環境を把握した上で、外観や幹の内部、根の調査をするなど、さまざまな面から考えることが不可欠です。
森林の循環作用に興味を持ち 樹木医になることを決意
「将来の社会では農業が重要になるぞ」と父から教えられていた宮田さんは、高校、そして大学と迷わず農業を専門とする分野に進学。
農業を学ぶうちに森林が営む自然の循環作用に興味を持ち、大学の恩師から樹木医について聞いたことがきっかけで、樹木医になることを決めたそうです。
「何百年もその場所で生きてきた木が近年になって弱るということは、周りの環境の変化が影響している可能性があります。
その木の生い立ちを知り、周囲の状況を分析し、長い時間をかけて生育環境から整えていかなければなりません。木自身にはもともと強い回復力があるため、それを引き出すことが自分の役割です」と宮田さんは語ります。
樹木の魅力を伝えていきたい
大学卒業後、香川県の造園会社に就職し、樹木の植栽や維持、管理の技術を学んだ宮田さん。
中でも剪定は奥が深く、枝が伸びたから切るのではなく、うまく伸びるように切るという考え方にとても感銘を受けたそうです。「木の健やかさを妨げない自然の流れに沿った育て方が、自分の考えにぴったりだと思いました」。
3年前に宮崎市にUターンした宮田さんは、田野町で造園業を営み、持ち前のチャレンジ精神と明るさで、地域の人と親交を深めながら仕事に励んでいます。
「弱っている木を見る度に、使命感に駆られます。まずは講習などを通して、地域の皆さんに、樹木が与える癒やしなどの魅力を広めていきたい」と話す宮田さん。これからの活躍に期待です。
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