宮崎市で輝いている人を紹介する「キラリ! 宮崎人」。今回は、市内の観光地の魅力を多くの人に発信している宮崎交通のバスガイド、矢島由美さんです。

たった一言で空気を変えたバスガイドに魅了

[観光客に感動を生み出す「人情の美」は宮崎の誇り]

たった一言で空気を変えたバスガイドに魅了

 「バスガイドという仕事は体力勝負。夏の鵜戸神宮はなかなか過酷ですよ」と笑う矢島さんは、高校卒業後に宮崎交通に入社。観光地にまつわる知識はもちろんのこと、車内でのゲームや心理テスト、民謡などもマスターし、バスガイドとして現在も活躍しています。「ひえつき節や刈干切唄などの民謡は、日本語の分からない外国のお客様にも喜ばれます。歌は国境を越えるとはよくいいますが、その通りですね」

 矢島さんがバスガイドを志したのは高校3年の時。卒業後の進路に迷う中、かつて合唱部の遠征先で起こった出来事を思い出したそうです。

 「全国の合唱コンクールで思うような結果が出せず、みんなバスの中で暗く沈んでいました。それを見たバスガイドさんが“泣きたい時は泣けばいいんだよ”と声を掛けてくれて、みんなで号泣したんです。おかげで気持ちの切り替えができ、翌日は明るく観光できました。たった一言でみんなを救ってくれたバスガイドさんの姿が、私の背中を押してくれたように思います」

 バスに乗る観光客とは、長くても3?4日のお付き合い。バスガイドはその限られた時間の中で、お客様のために気配り、目配りを尽くしています。お客様から「ありがとう」「楽しかったよ」と声を掛けてもらうことが、矢島さんの何よりの喜びだそうです。


観光客に感動を生み出す「人情の美」は宮崎の誇り

 宮崎交通の創業者である岩切章太郎氏が、宮崎の大きな観光資源だと語った「人情の美」。矢島さんはその魅力の大きさを、肌で感じているといいます。

 「すれ違う観光客に、地元の方や子どもたちがよくあいさつをしてくれます。それが観光客にはとても喜ばれるんですよ。宮崎には昔ながらの美しい人情が生き続けています。人が感動するのは、人の心に触れた時。何げないあいさつ一つでも“宮崎に来てよかった。また来たい”と思ってもらうきっかけになります。大切にしたいですね」

宮崎の観光地を熟知する矢島さん。青島や堀切峠など、マイカーでは行き慣れている場所も、観光バスで巡るといつもと違った景色が見えて面白いですよ、と観光バスの魅力を話します。

 「ガイドの案内を聞くと、知らなかったことや意外な発見があって新鮮に感じられると地元の人にも好評です。堀切峠で視界が開ける瞬間は車高の高いバスだとまた格別ですよ。観光客だけでなく、市民の皆さんにも市内外の観光地などを巡る定期観光バスにぜひ一度乗ってみてほしいですね」


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