パームスが、勝手に県内市町村にエールを送る本コラム。
今回は、森と緑と橋のまち、県北の日之影町です。前回が木城町。今回が日之影。
なんかそういうところばっかり選んでる? とお思いかもしれませんね。
じゃあ「そういうところ」ってなんだ、言ってみろ!
[新・日之影町ガイド]
パームスが、勝手に県内市町村にエールを送る本コラム。
今回は、森と緑と橋のまち、県北の日之影町です。前回が木城町。今回が日之影。
なんかそういうところばっかり選んでる? とお思いかもしれませんね。
じゃあ「そういうところ」ってなんだ、言ってみろ!
消滅の危機!?
「高千穂に行くときに通るところよね」。
もし、それ以上に日之影町の特長をひとつでも挙げられたなら、あなたは日之影博士!……博士のハードルがずいぶん低いですね。でもどれだけ知ってますか?日之影町のこと。
みんな高千穂をめざして日之影を通り過ぎていきます。大人歌舞伎よりは高千穂の夜神楽に行くし、こんにゃくよりは高千穂牛。うずらの丸焼きも名物ですが、うずらかあ……うずらねえ……。青雲橋や天翔大橋、龍天橋などの壮大なアーチ橋が町の自慢と言われても、やっぱり橋は橋。
そして、去年話題になった「消滅可能性自治体」。これは、20〜39歳の女性の30年後の人口減少率、つまり出産が期待できる女性の減り具合を基準にしたものですが、日之影町は73%、群を抜いて県内トップ!この町ヤバイ!!
… … 日之影を応援するページでしたね。
新・日之影町ガイド
日之影は、深いV字谷沿いにかたちづくられた町で、台地上を走る国道218号線日之影バイパスができたのは、昭和60年と比較的最近です。町の中心も、ほとんどの家々も、日之影では深い谷の底にあります。
レジャー目的で行くなら、丹助岳がおすすめ。車で9号目まで行けて、約1時間で登れる手軽さのわりに、阿蘇や祖母山系を望む360度の絶景!
かつての高千穂線の駅の春もいい。惜しくも廃線化しましたが、列車の来ない駅舎を、いまも春は桜が彩ります。早日渡駅。深角駅。どこかの有名観光地もいいですが、廃駅のホームに散る桜の味わいを、わかる人にはおすすめしたい。地味ですか? イヤならうずらでも食っとけ( おいしいです)。
最近の日之影では、中川地区が人気です。約2万本が咲き競う、チューリップの里。今シーズンは終わりましたが、岩峰を借景に花が並ぶさまはまるで小さなスイスのよう。スミマセン。言い過ぎたと思います。
でも中川のすごさは、本数や規模より、8戸しかない集落でその風景を育んでいることです。人を呼べるんです。限界集落でも。
宮崎の未来モデル?
町の中心部をのぞけば、日之影町は限界集落のまるで見本市(町民の方スミマセン)。そんな町に鉱山住宅がひしめいていた時代もあったわけで、つまり、いまの日之影は、他の県内市町村の未来の姿に重なります。宮崎の消滅可能性自治体は、ほかに14の市町村の名も挙がっているのですから。
いわば日之影は、宮崎の過疎対策のモデルです。中川地区のようなかたちで輝く集落もある。「きんとん栗九里」のような、宮崎市内から客が買いに来るヒット商品も日之影にはあります。また、町内には県外のボルダリング愛好家に注目され始めたポイントがあり、そこでは、よそ者である彼らと住民が、良好な関係を築く稀有な例を育んでいるそうで、それも集落を保っていくひとつのかたちだと思うのです。人が行き来するところにコミュニティは育まれていきます。
そうした山あいや谷底の暮らしがあるから、その上に高く掲げた立派な橋が、日之影町は自慢なんですね。そこを見ずに台地上の国道をすっ飛ばして、「日之影ってなんもないよね」だなんてアホかと。日之影町民はそう言いたいんじゃないでしょうか、と自分の暴言を町民になすりつけながら主張してみました。てへ♪
日之影に行ったら、ぜひ谷筋に下りてほしいと思います。戸川や岩棚あたりでは、きっと感動する川の色に出会えます。温泉も、世界的に評価された竹細工も、石垣の村も、谷に下りて初めて会える日之影の魅力です。
国道沿いだけでグルメも観光もすませたいなんて人は、日之影を語るにあらず。うずらでも食っとけ!(おいしいです)。
日之影町のココもスゴイ!
天翔大橋
高さ143m、長さ463m、コンクリートアーチ橋としては日本一長大!車を下りて渡る価値がある規模と眺望です。夜間照明を風力発電でまかなう、エコな橋。
リバーパークひのかげ
手漕ぎボートや遊覧船、電動カートなどを整備した川沿いのレジャースポット。歩いて渡れる、旧高千穂鉄道の鉄橋(土木遺産認定) 上の眺めと川風が印象的。
日之影町DATA
●人口:3,971人(6/1 現在)
●面積:277km
●人口密度:14.3人
●町の木:ケヤキ
●町の花:ツツジ
● 町の鳥:ウグイス
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