宮崎市で輝いている人を紹介する「キラリ! 宮崎人」。今回は、郷土の偉人・安井息軒の教えを伝えている、NPO法人安井息軒顕彰会の黒木幸英さんです。

町の歴史や息軒の功績をかるたを通じて学習

[世のため人のための学問をより多くの人々に広めたい]

宮崎市で輝いている人を紹介する「キラリ! 宮崎人」。今回は、郷土の偉人・安井息軒の教えを伝えている、NPO法人安井息軒顕彰会の黒木幸英さんです。

町の歴史や息軒の功績をかるたを通じて学習

 幼い頃に天然痘にかかるなど、つらい思いをしながらも勉学を貫き、海外の学識者からも賞賛される江戸時代きっての儒学者となった安井息軒。黒木さんがそんな郷土の偉人と関わり始めたのは、約10年前のことでした。
 「私も含め、この町の人でも息軒先生の教えや功績を知らない人が多かったんですね。これではいけない、みんなで学び、未来に伝えていかなければと思ったんですよ」


世のため人のための学問をより多くの人々に広めたい

 黒木さんら安井息軒顕彰会は、ふるさと清武に末永く受け継がれる宝物を作りたいという思いで、平成25年5月から、息軒の偉業をまとめた「息軒かるた」の制作に着手。読み札などを募集したところ、地道なPRの甲斐もあり、読み札917点、絵札89点が集まりました。
 宮崎市、日南市はもとより、息軒が戌辰戦争の難を逃れて疎開したことで縁のある、埼玉県川口市の小学校の協力も得て完成した「息軒かるた」。選ばれた44の作品には、何事も初めが大切だと説いた有名な「三計(一日の計・一年の計・一生の計)」をはじめ、数々の教えが記されています。


 また、読み札の裏面には詳しい解説文も。「解説文は顕彰会の制作委員が一生懸命作成したので、ぜひ読んでほしいですね。勉学に励む姿などを描いた絵札も、個性豊かで一枚一枚見入ってしまいますよ」と黒木さんは自信たっぷりに話します。
 さらに、黒木さんらは息軒かるた以外にも、7月の郷土まつりで息軒みこしの制作にも携わりました。子どもたちはみこしを担ぎながら、息軒の教えをもとに作られた歌を歌って町を練り歩いたそうです。現在は、顕彰会をNPO法人化し、息軒の功績をまとめたホームページを立ち上げるなど、さまざまな取り組みを進めています。


プロ野球・オリックス・バファローズの春季キャンプ地に決まったSOKKENスタジアムは、息軒の名を冠したもの。キャンプインを控え、黒木さんは息軒の名や功績をもっとたくさんの人に広めたいと意欲的です。「息軒先生の教えは、机上の学問ではなく、現実の政治や地域の問題に生かせる、生きた学問なんですよね。常に世のため、人のためにある。息軒先生の教えをより多くの人に知ってもらい、行動するきっかけにしてくれればと願っています」

 文教の町・清武ならではの試みとして、今後は地元の大学生も加わった活動を計画している黒木さん。何事にも努力を怠らず、信念を持って貫いた息軒のように、偉業の伝承のために走り続けます。


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努力を怠らず、勉学を貫いた大儒学者、安井息軒の「生きた学問」とは? 写真

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