太平洋戦争の終結から70年の節目を迎えるこの夏、宮崎市にも色濃く残る戦争の記憶を市広報みやざき7月号でたどりました。
誌面内に掲載しきれなかった読者リポーターの思いを紹介します。
[教育が人を作り、人が国を作ると思います。こんな時代の再来があってはいけない。]
太平洋戦争の終結から70年の節目を迎えるこの夏、宮崎市にも色濃く残る戦争の記憶を市広報みやざき7月号でたどりました。<br /> 誌面内に掲載しきれなかった読者リポーターの思いを紹介します。<br />
あれほどの出来事を風化させてしまう前にもっと触れる機会を持つことが必要
●杉村絵理子さん
私は高校までの18年間宮崎で暮らしていましたが、これまで慰霊碑のことについて聞いたことはありませんでした。経験者の方がまるで昨日のことのように空軍での経験を話してくださり、それが非常に生々しく、その光景が目に浮かぶようでした。一番印象に残っているのは、戦死者の名前が彫られた石碑の方を指さして、「あそこに名前が載っている○○は、出撃のとき私の後ろの席に乗っていた」などと話してくださったことです。戦争を生き抜いた方なのだと、実感させられました。
思い返してみると、普段の生活の中で戦争について真剣に考えることはほとんどありませんでした。あれほどの出来事を風化させてしまうことになる前に、慰霊碑を訪れたり、経験者の話を聞いたりする機会をもつことが必要だと思いました。
教育が人を作り、人が国を作ると思います。こんな時代の再来があってはいけない。
●成瀬優子さん
最初に特攻基地慰霊碑足を踏み入れた時、とても綺麗にしてあることに驚きました。お花は新しく、掃除や木の剪定も行き届いている。管理をされている方々の慰霊碑への思いが伝わってきました。
当日一番心に残ったのは、特攻隊員の永峯兵長、当時19歳の日記の中に見つけられた句「南海に 例えこの身は果つるとも いくとせ後の 春を想えば」。若者達にこういった思想を持たせてしまった、こんな考えが美徳とされてしまった時代の悲しさを痛感しました。教育が人を作り、人が国を作ると思います。こんな時代の再来があってはいけない、そう強く思いました。
その教育の面で言えば、今回お話いただいた経験者の方々も80代、今後直接体験者から話を聞ける機会も減る一方と思います。戦争を知らない世代に育てられた人が、人を育てる時代になっていく。そんな社会の中で、体験を伝承していく装置や仕組みがより一層必要だと思います。体験者の方々が、資料館の建設が悲願とおっしゃっていました。将来の子供達のためにも実現されることを願います。
国を想いながら亡くなっていった若者がたくさんいた。その事実をもっと世界に向けて発信すべき
●村上毅さん
そもそも私達の住む宮崎市に先の大戦での特攻基地があった、またそこから特攻機が発進していた、そしてその当時の特攻隊に所属されていたパイロットの方がご健在である、という現実があまりにも知られていないという事に愕然とします。私もこの事実を知ったのは約1年ほど前です。
なぜ、これほどまでに知られていないのか。
それは、いろいろな理由があると思いますが、結局のところ特攻慰霊のための資料館が無いという事に尽きると思います。
今からでも遅くありません。いろいろな課題があるとは思いますが、是非、特攻慰霊のための資料館を作るべきだと思います。
私は、知覧や鹿屋と同じように宮崎市にも特攻基地があって、そこから国を想いながら亡くなっていった若者がたくさんいた、という事実をもっと世界に向けて発信すべきだと想います。
そして、そのような先人達の存在が、今の日本を、今の私達の生活を守ってくれている、という事実にもっと感謝すべきだと思います。
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