近年、都市部を離れ、のんびりと過ごしながら、人生を楽しみ、生活の質を高めようという人が増え、田舎での生活が見直されつつあります。また、「田舎暮らし」や「自然志向」といった考えの中で、グリーンツーリズムといった田舎での生活をつうじた活動を再評価する声も高まっています。そういった中、U・J・Iターンなどで、都会から田舎に移り住む人たちが、全国的に増えてきています。
国では、団塊世代の大量退職を視野に入れ、大都市部から地方への移住や交流促進を図るための施策が検討されています。
一方、地方では、過疎化・少子高齢化の進展、荒れた田畑・空き家の増加などの深刻な問題が山積みです。こういった問題を抱える自治体では、この「ふるさとへの回帰」の流れを的確にとらえた新たなまちづくりが求められています。
えびの市では、緑豊かな自然と、先人の培ってきた貴重な歴史、文化、伝統を受け継ぎ、魅力的な「住みたいまち」を目指しています。市民と行政が力を合わせ、市外から多くの人やモノを呼び込むためにはどうすればよいか、一緒に考えてみましょう。
[○定住促進でまちづくりを]
近年、都市部を離れ、のんびりと過ごしながら、人生を楽しみ、生活の質を高めようという人が増え、田舎での生活が見直されつつあります。また、「田舎暮らし」や「自然志向」といった考えの中で、グリーンツーリズムといった田舎での生活をつうじた活動を再評価する声も高まっています。そういった中、U・J・Iターンなどで、都会から田舎に移り住む人たちが、全国的に増えてきています。<br>国では、団塊世代の大量退職を視野に入れ、大都市部から地方への移住や交流促進を図るための施策が検討されています。<br>一方、地方では、過疎化・少子高齢化の進展、荒れた田畑・空き家の増加などの深刻な問題が山積みです。こういった問題を抱える自治体では、この「ふるさとへの回帰」の流れを的確にとらえた新たなまちづくりが求められています。<br>えびの市では、緑豊かな自然と、先人の培ってきた貴重な歴史、文化、伝統を受け継ぎ、魅力的な「住みたいまち」を目指しています。市民と行政が力を合わせ、市外から多くの人やモノを呼び込むためにはどうすればよいか、一緒に考えてみましょう。
○減り続ける人口
えびの市の人口は、1985年(国勢調査)時の2万8034人をピークに減少し続け、2014年4月1日現在では、2万40人となりました。ピーク時から約8000人も人口が減少しています。宮崎県の統計調査でこれからのえびの市の人口の推移を見てみると、2020年には、1万7875人、2030年には、1万4675人になると推計されています。
このまま、えびの市の急速な人口減少が進んでいくと、生産活動の中心となる15歳以上65歳未満の生産年齢人口が減少し、 地域コミュニティの弱体化、生活水準・公共サービスの質が徐々に低下するなどの問題が予想されます。
また、急速な人口減少は、所有者が亡くなり、そのまま放置される多くの空き家を増やす可能性もあります。そういった空き家は、適正な管理が行われず、屋根材の飛散、不審者の侵入、ゴミの放置など、防災、防犯、衛生、景観等の面で地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、 大規模な災害が発生した時には、空き家が私たちの避難経路を邪魔する可能性が考えられます。
○定住促進でまちづくりを
えびの市では、 「住んでみたい、住んでよかった」といわれる住み良い環境を目指し、 「子育て支援」 「教育環境の整備」 「市内雇用の創出」 「地域住民との交流促進」をはじめとし、地域の特性化を図っていく政策を進めています。
「住んでみたい、住んでよかった」といわれる住み良い環境づくりでは、都会に住む人たちの「田舎で暮らしたい」という新たな生活志向を捉え、そのための受け皿づくりを進めています。
市の移住者・定住者への対策
市では、宮崎県が主催する首都圏等での「移住相談会」に参加するなど、えびの市への「移住・定住」の促進に積極的に取り組んでいます。
移住相談会では、来場者から「住む場所はどう探せばいいのか」 「どういった支援があるのか」などの質問を受けます。
そういった移住を考えている人のニーズに応えるため、市では、移住・定住者への支援の充実を図っています。
○空き家バンク
空き家や空き地が増加し、十分に管理れされずに放置されると、周辺環境の悪化や地域コミュニティの低下につながります。その一方、空き家は、住まいとしてだけでなく、さまざまな形でまちづくりの資源として活用できます。
えびの市では、そういった空き家や空き地の賃貸・売却を希望する所有者に、物件情報を登録してもらい、インターネットをつうじて、えびの市への移住・定住を希望している人に空き家情報を発信する 「空き家バンク」 を行っています。
空き家バンクを活用し、定住・移住を希望する人が空き家に住み、地域住民が増えることで、経済効果や地域コミュニティの醸成など、地域の活性化につながります。
【登録ください。空き家バンク】
空き家バンクへの登録は、 無料です。えびの市内に空き家・空き地を所有している人であれば登録できます(※ただし、不動産のあっせん・仲介業務を行う人は登録できません) 。空いている土地や家屋がある場合は、お気軽に利用ください。
[問]市企画課政策係/TEL:35‐1111 (内線321)
○空き家改修費用を助成
市では、空き家バンクに登録された空き家について、市外からの移住者と賃貸借契約を結び、市内業者を利用して家屋の改修等を行う場合に、費用の一部を補助します。
【補助対象者】空き家バンクに、賃貸を目的として空き家を登録している人
【補助対象事業】台所や風呂等の修繕、内装や屋根等の改修、 家財道具の運搬、廃棄、屋内の清掃など
【補助金の額】補助対象事業に係る費用の2分の1(上限40万円)
[問]市企画課政策係TEL:35‐1111 (内線321)
○えびの市の主な移住・定住支援策
えびの市の定住支援には、「子育て・教育に関する支援」「健康に関する支援」のほか、以下の支援があります。
○住宅取得定住促進支援金
自己の居住を目的に住宅を取得(新築・新規購入)した場合に、経費の一部を 2 回に分け住宅取得支援金として交付しています。市外からの移住、中学生までの子どもを扶養している場合は、加算金があります。
【支援金額】取得経費の 10%
※土地代は、含みません。
※市内業者を利用した場合は、限度額 50 万円
※市外業者を利用した場合は、限度額 30 万円
【問い合わせ先】市財産管理課住宅係/TEL: 35-1111(内線 343・344)
○住宅リフォーム促進事業補助金
自己が所有し、居住の用に供する住宅を、市内の施工業者を利用して改修工事を行う場合に、その経費の一部を補助します。
【補助金額】経費の 20%・上限 15 万円
【問い合わせ先】市観光商工課企業誘致・商工振興室/TEL:35-1111(内線 333)
○お試し滞在助成金
えびの市への移住を目的として、住居または仕事を探す活動等を行うため、えびの市国際交流センターに宿泊した場合に、滞在費の一部を助成します。
【助成金額】使用料の 1/2 以内・上限 5 日分・同一年度内1回限り
【問い合わせ】市企画課政策係/TEL:35-1111(内線 321)
○えびの市定住促進サイト「来ゃんせえびの」
このサイトでは、えびの市の魅力や空き家バンクの情報など、移住・定住に向けた最新情報が掲載されています。
http://www.ebikyan.jp/
移住者に聞くえびのの魅力
「自給自足の生活がしたい」 とえびの市へ/田村啓二さん・あつ子さん
私の出身は、福岡県で、えびの市は、妻の出身地です。私は48歳のとき、 「自給自足の生活がしたい」と福岡での仕事を辞め、平成12年にえびの市に移住してきました。最初は、妻の手づくりパンの販売と私は、野菜づくりを始めました。
7年前から料理好きの妻が主体で、農家レストラン 「若竹の里やまぶどう」をやっています。野菜は、私が作ったものを使っています。野菜は道の駅等で販売もしています。私の一日のほとんどは畑仕事です。と言いながら、いろいろなことをやっています。
移住したてのころは、いままでの常識・文化があまりにも違っていました。いざ住んでみると、少し時間はかかりましたが、自然豊かなえびのの土地で作られる野菜のおいしさや、人の温かさなどを感じ、 毎日を楽しんでいます。今は、住めば都です。
年金生活するまでは、妻に少し苦労をかけますが、今の暮らしは、お互いが好きなことをやっているので満足しています。
これからえびのに移住を考えている人、特に、若い人は、自分の生活を確保できる仕事を考えることが大事だと思います。
「空気と水のおいしいところに住もう」 とえびの市へ/持永忠雄さん・米さん
私の出身は、えびの市で、妻は、曽於市出身です。高校卒業後、愛知県で31年間、働いていました。空気と水のきれいなところに住んで、時間を自分のために使い、自分の好きなことをやりたいと愛知県での暮らしの中で考えていました。平成12年にUターンを決断。えびの市での暮らしが始まりました。
戻ってきた時は、住める場所と自給自足ができる場所を妻と二人で作ろうと、家づくりと田畑づくりから始めました。家は、木の切り出し作業から据付まで、妻と楽しみながら、1年半で作り上げました。今では、 その家を 「米ちゃんハウス」と名前をつけ、農家民泊をしています。農家民泊にくるお客さんに、農業を体験してもらい、えびののおいしい空気と水、そして手づくりの野菜などを味わってもらっています。
えびの市には、霧島錦江湾国立公園があり、大自然の中にあるまちとしての魅力があります。 農家民泊を通じて、その魅力を発信していきたいです。
これから移住を考えている人は、最初の一歩を踏み出すのに勇気がいると思います。その一歩を踏み出す手助けができればと思います。
市民一丸となった移住・定住の取り組みで
活力あるえびの市を
人口減少や高齢化の進行、社会経済状況の変化などを背景に、えびの市でもまちの活力が減退しつつあります。特に、 若者を中心とした人口流出は、まちづくりにおいて大きな問題です。そのような中、えびの市では、農村社会を基盤とした住民同士の絆やコミュニティが今も育まれています。市民アンケートでも、6割の市民が何らかのかたちでまちづくりに参加したいと回答しています。この思いと地域の絆を、まちづくりへとつなぐことで、市民と行政との協働によるまちづくりが一層進展します。
また、えびの市には、豊かな自然環境など魅力的な生活環境と宮崎、鹿児島、熊本に近いという立地条件があります。田舎暮らしを求める人たちの定住先として、 有利な条件を備えています。
さらに、市では、 「子育て支援」 「教育環境の整備」 「市内雇用の創出」 「地域住民との交流促進」など地域の特性化を図っていく政策を進めています。この「住民同士の絆やコミュニティ」「有利な条件」 「市の政策」は、定住・移住を考えている人にとって魅力になると捉え、市では、積極的に移住・定住対策を行っています。
市が移住・定住対策を進めていますが、えびの市に1人でも多くの移住・定住者を増やすには、地域や市民の理解と協力が必要です。何気に見ている風景などでも、都市部の人にとっては魅力になります。
そういったえびの市の魅力を地域や市民が発見し、県内外の人に発信することで、 「えびの市に遊びに行ってみたい」 「えびのに住んでみたい」という人を増やします。
都市部の住民との交流を増やすことで、地域の特性化を図ることができます。都市部からの移住者がえびの市に住むことは、人口の増加につながるばかりではなく、山間地での空き家対策、自給自足などに伴う遊休農地の活用など、過疎化等に伴う課題解決につながります。さらに、全国的に増えている団塊の世代の移住・定住を視野に入れることで豊かな経験や知識、さまざまなネットワークを産業振興の分野などで活用することが期待できます。
地域では、移住・定住者を地域の一員として温かく迎え入れる環境づくりも必要です。地域に移住・定住してきた人がいる時には、日ごろから近所付き合いなどで、コミュニケーションをとるなど、地域に溶け込みやすい環境づくりを心がけましょう。
地域や市民、行政が、移住・定住に積極的に関わっていくことは、地域全体の保全や活性化の観点からも必要です。市民一丸となった移住・定住への取り組みで活力あるえびの市を目指しましょう。
こちらもおすすめ
-
えびの市で、地域おこし協力隊として働く傍ら、趣味のサーフィンを楽しむ永田さんは、山と海には共通していることがあるという。
-
えびの市上江の自動車整備工場で働きながら、オートバイレーサーの高みを目指す中迫さん。鈴鹿8耐出場で、当たらな夢ができた。
-
平成26年、精神保健福祉事業功労者として表彰された徳持さん。障がい者のための会『ひかり家族会』立ち上げのきっかけは、息子の病気であった。
-
えびの市の高齢者クラブにおいてカラオケの指導を行う中津さん。歌の上達よりも楽しさが第一だと語り、クラブは高齢者の生きがいの場となっている。