動物園で楽しみなのが、愛らしい子どもたちの姿。子どもならではの特徴や性格を理解して、子どもたちに会いに行ってみませんか。

5つ子の名前は 柑橘類!? カピパラ

[ウサギのようで ネズミだよ マーラ]

 姿

5つ子の名前は 柑橘類!? カピパラ

 昨年8月に生まれた5つ子は、宮崎で柑橘類の栽培が盛んなことから、ミカン、ポンカン、ハッサク、デコポン、キンカンと名付けました。中でもハッサクは、岩に登ろうとしたり、親の背中に乗ったりして元気ですよ。[飼育員・浜脇さん]


ウサギのようで ネズミだよ マーラ

マーラはネズミの仲間。昨年8月に生まれたカレンとキキは、母親の両側からおっぱいを飲む姿を見せてくれます。野生では穴の中に住むので、園でも夜に穴を掘り、朝にはすっかり穴だらけ。それを埋めるのが私の毎朝の日課です。[飼育員・福地さん]


大人に負けじと ダッシュ! ヤギ

こども動物村でおっぱいを飲む姿が見られるヤギ。昨年は11頭が生まれました。夕方のヤギの大行進では、早く帰って餌を食べようとダッシュする大人に混じって、高い声で鳴きながら必死に後を追う姿がかわいらしいですよ。[飼育員・高橋さん]


もうお母さんは 大変です。 シマウマ

昨年10月に生まれた雌のナツナは好奇心旺盛。木のにおいを嗅いだり、仲間にちょっかいを出そうとしたりして母親に「ダメよ!」といわれんばかりに止められる様子が見られます。大きな音がすると、キリンやダチョウと一緒に走ることもあるんですよ。[飼育員・横山さん]


みんなで ひなた ぼっこ! リスザル

昨年6月生まれのカンチは周りの世界に興味津々。冬の寒い日は展示場のガラスの端に10頭くらいが集まり、ひなたぼっこをする様子が見られます。指先には、物を持ちやすいよう人間と同じ平爪と指紋を持っているんですよ。[飼育員・古根村さん]


【園長メッセージ】 楽しい動物園

「この子ったら、ヤギさんを怖がっているわ!」。園内のこども動物村でよく聞く会話です。動物好きな子どもが、テレビでは興味津々なのに実物を怖がる。このことを「いわれなき恐怖心」と言った方がいます。また反対に、動物に接すると幸せな気持ちになる「無条件のよろこび」も感じられます。人はこの相反する2つの感情に出会うと、楽しいと感じるようです。

動物園では、行進するヤギや散歩するゾウ、飛ぶフラミンゴなどを体感できます。動物の迫力や存在感を実際に経験する機会が少なくなっている今、皆さんには動物園で動物たちと空間を共有し、2つの感情、つまり楽しさを味わってほしいと思います。 

野生動物の実際を知るには、その生息地の再現が必要です。チンパンジーが30頭の群れで生活している様子を見たら楽しいと思いませんか?キリン、シマウマ、ダチョウの群れを、目で、耳で、鼻で観察したくはありませんか?今年は、その新たな一歩にしたいと思います。

宮崎は自然の動物が豊かです。海にはアカウミガメが、山にはニホンカモシカやコシジロヤマドリがいます。しかし、いずれも少なくなっています。私たちの周りからドジョウやトノサマガエルがいなくなっているのをお気付きの人もいるでしょう。その情報や自然復帰のお手伝いをすることも動物園の大切な仕事。動物園を、そんな動物たちのことを少しでも考える機会にしていただければ幸いです。


園長 出口 智久
大分県出身。宮崎大学農学部卒業後、昭和52年から飼育員としてフェニックス自然動物園(当時は民営)に勤務。カナダの動物園でも飼育勤務を経験し、平成16年に園長に就任。


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