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2012年7月、綾町を中心とする綾地域が、日本では32年ぶり5カ所目のユネスコエコパークに登録された。面積の約80%が森林でうち2000hが「照葉樹林」に覆われる綾町。これほどの規模で照葉樹林が残っているのは、世界的に珍しく、大変貴重だ。

 綾町では半世紀以上にわたり、自然と共生するまちづくりが行われてきた。その始まりは、1966年に就任した郷田實・前町長の取り組みだ。
当時の綾町は、経済状況が非常に厳しい時期で、クラフトパルプや薪炭用に照葉樹林を伐採する計画が持ち上がっていた。これに大きな疑問を抱いた郷田前町長は、「一坪菜園運動」や「木工のまちづくり」など、自然の恵みを生かしたさまざまな産業振興策を展開。
環境を守りながら、循環型で持続的なまちづくりを進めた。
現在、この取り組みは、しっかりとまちの人々の間に根差している。

 自然と人間との共生。人類の存亡にもかかわる、この大きなテーマのヒントが、この町にはある。


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