毎週水曜日の朝9時。綾町中心部にある“綾ふれあい館“のテラスに、『くるりカフェ』 がオープンする。それを待ちわびていたお客さんが次々とやって来る。お目当ては孝太さんがいれる自家焙煎コーヒーと、絵美さんがつくる天然酵母のベーグル。それと二人の優しい笑顔。
[まちのみんなが応援してくれる]
毎週水曜日の朝9時。綾町中心部にある“綾ふれあい館“のテラスに、『くるりカフェ』 がオープンする。それを待ちわびていたお客さんが次々とやって来る。お目当ては孝太さんがいれる自家焙煎コーヒーと、絵美さんがつくる天然酵母のベーグル。それと二人の優しい笑顔。
宮崎から東京、そして宮崎へ
ともに宮崎県出身の中山さん夫妻が出会ったのは、 故郷を遠く離れた東京でのこと。 同郷という縁もあって知り合った二人は“大好き”な食べ歩きを重ねていくうちに、「いつか二人でカフェをやりたい」 と、共通の思いを抱くようになる。
その後しばらくして二人は入籍。 休日になると、 レンタルスペースを借りて“1日カフェ”を出店するという生活を送っていた。 そんな日々を過ごすうち、 二人の独立への思いはますます強くなり、故郷である宮崎に店を構えようということに。
「東京で食べ歩きを重ねるうちに、料理はいかに食材が大切かということに気が付いたんです。 宮崎にはおいしい食材がたくさんあるじゃないですか。 カフェをするなら、 その食材を使わないともったいないと思ったんです。 だったら、 やっぱり宮崎でするのがいいよねって」 と絵美さん。
故郷でのカフェ出店を決意したのは、 二人が東京で出会ってから3年後のことだった。
まちのみんなが応援してくれる
二人が移った綾町は、宮崎市出身の孝太さんと日南市出身の絵美さんにとっては、縁もゆかりもない場所で、知り合いもいない。それゆえ不安もあったが、綾町にはそれを上回るほどの魅力があったのだという。
「カフェを開くなら、自然に囲まれた場所で、しかも野菜づくりをしながらという、強い思いがあったんです。照葉樹林があって有機農業を進めている綾は、まさにうってつけの場所でした。
それに、コーヒーもベーグルも、水がおいしさを左右するのですが、ここには名水百選に選ばれている湧水がありますからね」と、綾町を選んだ理由を語る孝太さん。
こうして、綾町で新生活をスタートさせた二人は、 その一カ月毎年11月下旬に行われる 「綾工芸まつり」 に、初めてカフェを出店。翌12月には、正式に 『くるりカフェ』 スタートさせた。
「まちのみなさんにはとても親切にしていただいています。今お店を出しているこの場所も、“あ
そこに出店してみれば”と紹介してもらったんです。そのお礼というわけでもないのですが、まちを盛り上げるためにも、綾町の魅力をもっともっと広めて、たくさんの人に綾に来てもらいたいと思っています」。
みんなで手をつないで幸せに
店名の“くるり”には、ベーグルの輪のように、 お店を通じて人と人とをつないでいきたいという二人の思いが込められている。
「くるりカフェは移動カフェとして、県内外の各地を巡っています。いろいろな所に行って、たくさんの人と出会うことで、私たちとお客さん、それにお客さん同士をつなげていきたいんです。そうして綾から宮崎、 宮崎から九州へと、人の輪をどんどん広げていければいいですね。だから、毎日お客さんと触れ合えるのが本当に
楽しいんですよ」と、満面の笑みを浮かべる孝太さんと絵美さん。
人と人とをつなぐ、綾のまちかどの移動カフェには、今日も二人の笑顔と明るい声があふれている
。
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