環境を守るには一人一人が環境に配慮して行動することが大切です。毎日の暮らしの中で、私たちにできることは何か。家庭と、事業所でのでの取り組みを紹介します。

ドイツの過程を参考にごみの減量に成功

[市環境学習パートナーをしてエコの知識やアイデアを発信]

ドイツの過程を参考にごみの減量に成功

森末さんに案内された自宅の庭の一角に、コンクリートブロックで作られた設備がありました。「これは自分で手作りした生ごみ処理器で、庭の雑草や生ごみなどを土と混ぜ腐葉土を作っています」と森末さん。混ぜるときに糠を入れると温度が上がって分解が進むそうで、生ごみを入れているにも関わらず、臭いは気になりません。できた腐葉土は、森末さんの大好きなガーデニングに利用されています。
森末さんが生ごみを堆肥にしたいと思い始めたのは十数年前。段ボールコンポストから始め、試行錯誤を経て今の生ごみ処理器にたどり着きました。宮崎市の1人あたりの年間平均ごみ排出量は約1㎏なのに対し、森末さんは約100g。自家処理することで確実にごみを減らしています。
「平成17年に、宮崎市ごみ問題海外研修訪問団としてドイツに行かせていただいたのが大きなきっかけです。ドイツでは生ごみの回収は有償なので、大半の過程が庭で処理しているとホームステイ先で教わりました。そこにヒントを得て生ごみ処理器を作りました。質のいい腐葉土ができるので、ガーデニングには化学肥料も不要です」。


市環境学習パートナーをしてエコの知識やアイデアを発信

森末さんは宮崎市環境学習指導者育成講座を修了。現在は宮崎市環境学習パートナーなどとしてワークショップや講演などの活動をしています。
「小さい頃からもったいないという気持ちを常に持っています。小学生向けの講習では給食は自分が食べられる分だけを器に盛ることで残菜が減り、ごみが減らせるよ、などと教えています」。
森末さんは料理でもエコを実践中。大根の葉は湯がいてまぜご飯に、皮は一晩干して甘酢に付けるとハリハリ漬けにできるそうです。ベテランの主婦でも「えー、こんなん捨てちょった!」と驚く人が多いのだとか。


ドイツでも意識の浸透に30年、できることからコツコツと

ごみの減量は市全体の大きな課題です。その解決には、一人一人が意識を変えていくことが不可欠だと森末さんは話します。
「ドイツでは、生ごみは家庭で処理するものという意識が浸透するまで、30年かかったそうです。意識の問題ですから、時間がかかるのは当たり前。地道な努力を継続して積み重ねることが大切ですね」。
お菓子の包装紙など、何となくくちゃくちゃにして捨ててしまっているものも、古紙で回収できます。
「生きてる以上、ごみは毎日出てくるもの。市には電動生ごみ処理機の購入補助や、廃食用油、小型家電品などの回収といった制度もありますので、1人でも多くの皆さんに、できることから取り組んでもらえたらと思います」。


自動車販売店の活動に感銘を受け社員総会で美化活動宣言

昨年11月、中山さんは環境美化活動の実施を社員総会で宣言しました。毎朝出勤中に目にしていた光景がきっかけでした。
「花ヶ島の車のディーラーの皆さんが道路に出てごみ拾いをしていたんです。私の地元では自治会がやることを、会社としてやっているのがとても新鮮でした。それで、うちでもやりましょうと言ったんですよ」。


外部講師から知識を吸収、姿勢は次第にポジティブに

3月には、市環境学習パートナーを迎えてエコの勉強会も実施したそうです。
「いつもやっている介護技術の勉強会を、趣旨を変えて実施しました。無料でお願いできるということもあって講師を依頼したのですが、それが良かった。社内だと、照れや甘えがある。その点、外部の人だと説得力があります。会では具体的な経費削減の方法などを教えていただきました」。
現在は電気や水道などの節約、エアコンの温度管理にも取り組んでいます。
「大事なのは、無理なく、できる範囲で継続すること。そうすると、やらされている感覚よりも、自主的にポジティブな感覚が強くなります。活動を始めてから、自分がいい人になったみたいと話すスタッフもいるんですよ」と笑う中山さん。同社のアクションはこれからも続きます。


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