パームスが、県内市町村にエールを送る本コラム。
今回は宮崎の奥座敷、西米良村です。みんな言います。
「遠いけどいいとこよね」。
そんなの、日之影だって諸塚だって串間だって遠いのに、西米良への視線だけあったかい。
なぜ?
[小さな村の大奮闘]
パームスが、県内市町村にエールを送る本コラム。
今回は宮崎の奥座敷、西米良村です。みんな言います。
「遠いけどいいとこよね」。
そんなの、日之影だって諸塚だって串間だって遠いのに、西米良への視線だけあったかい。
なぜ?
カリコボーズの正体は?
県内にゆるギャラは数あります。
「みやざき犬」をはじめ、小林の「こすモ?」、延岡「チキなん番長」など、多いのは動物モデルのゆるキャラ。
西都の「ニニギくん」や椎葉の「おつるちゃん」は伝説系に分類できます。
そして西米良村です。カリコボーズの「ホイホイ君」。県内のゆるキャラの中で、アイツだけ妖怪です。
西米良の人に聞けば、昔は得体の知れない恐ろしげなイメージで語られる存在だったそうですが、いまやツルーンとした顔のわんぱく坊主になっちゃった。
妖怪じゃなくて「精霊」と言い換えたりしてね。
でも、水木しげる御大が描いた同類の絵は、緑色の皮膚! ひとつ目ですよ!! 物の怪です。だまされちゃいけない。
ただ、そんな存在がいまでもいそうに思えるのが、西米良村の魅力ですよね。山深さ、川の清らかさ、昔ながらの風景。
西米良を訪ねる人は、自然や山里の情緒を求めて行くんじゃないかと思いますが、そんな姿を表の顔とすれば、水面下での白鳥もかくやというほど、がむしゃらに頑張っているのが西米良村なんです。
小さな村の大奮闘
山里のイメージを裏づけるように、面積の96%が山林という西米良村。ただ、そのほとんどが民有林なのが西米良の特長です。明治の版籍奉還のとき、領主の菊池氏が領民に均等にわけ与えたんですね。えらいお殿様もいたものです。
その居城があった地で、いまや人気スポットなのが小川地区。
『おがわ作小屋村』がある場所です。高齢化率70%以上だった超限界集落が、年間2万人以上を集めるようになりました。女性が喜ぶツボを突いた小鉢料理がまたニクイ。
「山里だったら猪そばあたりだろ」とか考えるオジサンに店を任せると、だいたいがいい感じでさびれていきますからね。
作小屋村などを拠点に、交流人口を増やそうと奮闘中の西米良村ですが、その先にある定住人口増という目標に向けても頑張っています。
家を建てれば100万円、結婚すれば50万円、新規就農で100 万円など、支援も手厚い。中学生以下のお子さんは、医療費の自己負担ゼロ!「平成のお江戸見物」と称して、75歳以上を東京旅行に連れていったこともあります。いい村じゃん!
行政&住民の総力戦!
いまの西米良村は、観光庁の「観光カリスマ」にも選ばれた村長のリーダーシップのもと、さまざまな振興策に取り組んでいます。
作小屋村も言ってしまえば行政がしつらえたハコモノなんですが、運営を地区の住民たちに任せて、働く場や生きがいを創出してもいます。住民を巻き込むのが上手なんてすね。
村の人口が約1200人まで減った現状でも、「自分たちでもやれる」と思わせる。そしていつしか、住民が主体的に動いている。これが西米良の強力なエンジンになっていると思います。だからみんな西米良を応援したくなる。
考えてみれば、妖怪も山里の風情も、デジタルやマーケティングでは測れないものです。陽気なホイホイ君もいいけれど、妖怪がひそむような日本本来のぬめりのある夜闇の感触、そういうものが西米良村にだけはあり続けてほしいなぁ。
もうすぐゴールデンウィークです。予定がなければ、ぜひ西米良村も行き先の候補に入れてください。5月3日は、おがわ作小屋村で「カリコボーズの山菜まつり」が開催予定です。もちろん、ホイホイ君も登場!
これで当日、アイツがひとつ目姿で現れて、「パームス読んでます」とか言いながら握手してきたら、もう次の日から西米良村に移住するわ!
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