[子どもの教育にまず何が必要か]
教育の時期
「其入人也、如時雨之潤」(その人に入や、時雨の潤いの如し)
教育には時期を考えることは非常に大切なことである。その年齢に必要なことを時期を失うことなく適切に教えていく。それは時雨が来て、自然に土地が潤うようなことである。
必要な時期、必要な内容は子ども自身は云うに及ばず、その親にも判断が難しい。人の教育にあたる者が判断しなく
てはならないことである。
子どもの教育にまず何が必要か
「教小児、先要安詳恭敬」(小児を教うるには、先ず「安詳恭敬」を要す)
子どもの教育には、まず四つの大切なことを教える。
まず、「安」物静かに落ち着きのある行動をすること。
次は、「詳」物事をゆるがせにせず、こまかに注意すること。
そして、「恭」みだらな立ち振る舞いをしないこと。
さらに、「敬」こころに慎みをもつこと。
この四つである。
教師の姿勢
「聖人之教、常俯而就之」(俯してこれに就く)
教育をする場合には、自分を低くひきさげて、教育を受ける者の立場に近づけて、その心から離れないようにする。
試験
「学校礼儀相先之地、而月使之争、殊非教養之道」(学校は礼儀先んずるの地にして、月々の之を争わしむるは、殊に教養の道にあらず)
学校は礼儀を先として教える場所である。しかしながら学校においては成績の良い悪いを争わせるというのは、本来の目的とは離れていて、教養の正しい道とはいえない。
とは云っても試験をしないというわけではない。指導の成果をみる上でも必要であり、明倫堂でも積極的に行われている。
「礼」をまず教える。身につけさせるということが先であるということである。
明倫堂の書庫
戦前・戦後にわたり高鍋町発展に寄与した、柿原政一郎が財団を創設(正幸会) 。高鍋農業高等学校に保存されていた昔の明倫堂書庫を解体移築して、古風な二階建て土蔵造りに仕上げた。昭和29年に高鍋町に寄付されたもので明倫堂の図書1万6,000冊を収納している。
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