川崎建具店・川崎賢広さん。先代から匠の技を受け継ぎつくったこのおもちゃのキッチン。いまではインターネット通販サイトで大人気となっています。

木製玩具製作の相談を持ちかけられたのがきっかけ

[ドイツのモミの木を使用]

川崎建具店・川崎賢広さん。先代から匠の技を受け継ぎつくったこのおもちゃのキッチン。いまではインターネット通販サイトで大人気となっています。

木製玩具製作の相談を持ちかけられたのがきっかけ

川﨑さんは小林市にある建具店の2代目。父の下で修行をしていたある日、同じ高校を卒業し通販会社を営む友人から木製玩具製作の相談を持ちかけられます。

その友人と話し合いながら出来上がったのが、子ども用キッチン。商品名はドイツ語で子どもがパタパタと走る音『Tipp Tapp』としました。そして友人の会社からインターネットでの販売を開始します。「当初は月に15台売れればと思っていました」。


ドイツのモミの木を使用

 そうして販売から3年、徐々に売れ始めていきました。
その評判が購入者によって広がり、今では月に30〜40台の注文があるのだとか。さらにクリスマスシーズンには約300台を発送するまでになり、インターネット通販サイトでジャンル別売上げ上位となるほどの人気を博しています。

 そんなキッチンは、ドイツのモミの木を使用。「子どもが遊ぶものだから」と、塗装をせずに無垢のまま作られます。また、蛇口やコンロのつまみ部分が回るようにしたり、扉のマグネットを微妙に調整することで子どもの力でも開けやすくするなど、随所に細やかな気配りが施されているのが特徴です。

そして何よりガタつきがなく、しっかりとした作りは職人技ならでは。コンマ数ミリの狂いも許されない建具の技術は、これまで父が教えてくれたものが生かされているのだそうです。
「建具も量産型のあおりを受け、本当に厳しい状態。でも量産ではできない細かなことが手づくりなら可能なんです。建具に関してはまだまだ半人前だけど、父が教えてくれることを生かしながら商品を作っています」。


親から子へと受け継がれる絆

現在は父と互いの仕事を手伝い合いながら製作を続ける毎日だそう。「他の作品も展開する予定です」と話す川﨑さん。その手から生み出される作品は川﨑さん親子の関係のように、親から子へと受け継がれる絆を感じさせてくれるものでした。


この記事をおすすめする人

「木のぬくもりを子供たちに伝えたい」 建具店から生まれた木製おもちゃ 写真

miyazaki ebooks編集部

宮崎県内の観光・情報誌や広報誌などを電子書籍にして、厳選された記事を読みやすくお届けします。

こちらもおすすめ

人気記事

おすすめトピック