全国版の有名雑誌やテレビCMなどにも取り上げられる陶芸家・増渕篤宥(マスブチトクヒロ)さんの器は、手作りでしか作ることのできない繊細さが魅力。茨城県笠間市から宮崎県小林市に移住して求めたのは、自分の美を追うことでした。

「ちゃんと作らないとだめなんだ」

[今では有名雑誌やテレビCMに取り上げられるまでに]

CM

「ちゃんと作らないとだめなんだ」

 茨城県笠間市出身の増渕さんは東京のデザイン学校を卒業した後、実家の焼物屋を継ぐために愛知県瀬戸市で修行を行い、家業に入りました。

しかし大量生産する陶器に段々疑問を感じはじめたそうです。
「一個一個をちゃんと作りたい」「ちゃんと作らないとだめなんだ」。
そんな気持ちが強くなっていき、家を出る決心をしたのです。その後、奥さんのみち代さんの地元である宮崎へ移住。土と真剣に向き合うことを始めました。


今では有名雑誌やテレビCMに取り上げられるまでに

 「当時は本当に落ち込んだり、不安になったりしたものです。でも笠間を出る時に『陶芸以外の仕事はしない』と誓ったから」。収入のないところからのスタート。

それでも一心に制作し、東京の専門店を回って売り込みました。
「初めての注文はカップとソーサー5組。たくさん作り、その中で一番いいものを自分で納品に行きました」。
それからも増渕さんは東京に足繁く通うようになりました。そして個展やグループ展などの機会を持てるようになり、今では有名雑誌やテレビCMに取り上げられるまでになったのです。


一刀一刀彫りを入れる手法

増渕さんの代表作は形作った土に、一刀一刀彫りを入れるというもの。

象嵌(ぞうがん)の手法を取り入れ、繊細な文様を描き出しています。決して機械では作ることのできない陰影が、観るものの心を捉えます。


土と真摯に向き合う

「でも、ひとつできてもそればかりではなく、新しいものも作っていきたい。時代は常に流れているのですから」と増渕さんは言います。
移り行く時代と自分の感性に正直に向き合うことが、新しい作品を生み出せる原動力。
土と真摯に向き合う増渕さんの想いは、これからも進化し続けていくことでしょう。


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「手づくりでしか出せない美を求めて」 ある陶芸家の物語 写真

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